日本の5大総合商社を比較 - 三菱商事・三井物産・伊藤忠・丸紅・住友商事
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日本の5大総合商社を比較 - 三菱商事・三井物産・伊藤忠・丸紅・住友商事

バフェットが買い集めた日本の5大総合商社(三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、丸紅、住友商事)を、時価総額・PER・PBR・ROE・配当で比較します。同じ総合商社でも資源と非資源、収益性で性格がどう分かれるかをデータで整理します。

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日本株を見ていると必ず出会うセクターが総合商社です。資源開発から食料品、発電、コンビニまで事業領域が広い独特の業態で、ウォーレン・バフェットのバークシャー・ハサウェイが5大商社をすべて買い集めたことでも有名になりました。

ところが「5大商社」とひとくくりに呼んでも、中を見ると性格はかなり違います。ある会社は資源に重みがあり、ある会社は消費や非資源で安定を狙います。本記事では三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、丸紅、住友商事の5社を、時価総額とバリュエーション、収益性、株主還元で並べて比較します。指標の読み方そのものが不慣れなら、株式の投資指標の読み方の記事を先に読んでも良いでしょう。

数値は2026年6月5日の終値ベースの参考値です。バークシャーの保有も作成時点のもので、持ち分や方針は変わり得ます。相場によって日々変わるため、実際の判断の前には各証券会社や公式IRで最新値をご確認ください。

表A - バリュエーション

時価総額の大きい順に並べました。PERと配当利回りは予想ベースです。

商社コード時価総額予想PERPBR予想配当ROE
三菱商事805818.03兆17.8倍1.882.49%8.5%
伊藤忠商事800114.85兆13.7倍1.992.40%14.6%
三井物産803114.44兆12.9倍1.632.58%10.2%
丸紅80028.38兆13.9倍1.892.33%13.6%
住友商事80538.18兆12.6倍1.762.30%12.9%

この表では、三菱商事、伊藤忠商事、三井物産が時価総額14兆円以上の上位を占め、丸紅と住友商事は8兆円台にまとまります。ただし時価総額の順序と収益性(ROE)の順序が一致しない点が、このセクターを見る核心です。

表B - 財務・成長・変動

同じ5社を財務の安定性と成長、変動性の面から見直します。増収率と経常増益率は前年度比です。総合商社は事業構造の都合で一般的な営業利益率の概念が当てはまらないため、売上に対する経常利益率で代えています。

商社コード自己資本比率経常利益率増収率経常増益率ベータ
三菱商事805839.1%5.8%+1.6%−21.3%1.05
伊藤忠商事800139.4%8.1%+0.7%+3.8%1.03
三井物産803142.1%7.8%−4.6%−4.2%1.19
丸紅800241.4%8.0%+6.1%+5.6%1.29
住友商事805333.9%9.6%+0.6%+0.9%1.22

経常増益率では三菱商事が−21.3%と最も振るいません。時価総額は最大なのに前期の利益が大きく落ちたもので、資源価格と一時的な要因が重なった結果です。逆に丸紅と伊藤忠商事は成長がプラスを保ちました。

資源か非資源か - 性格が分かれる地点

5大商社を分ける最大の軸は資源事業の比重です。

  • 三井物産は5社の中で資源色が最も強いです。エネルギーや鉄鉱石といった資源が利益の大きな柱なので、資源価格が上がれば大きく稼ぎ、下がれば揺れます。今期の売上が−4.6%、経常利益が−4.2%と落ちたのも資源価格の影響が大きいです。代わりにPBRが1.63倍と5社で最も低く、予想配当が2.58%と最も高いです。資源株特有の「安いときに買って配当を受け取る」性格です。
  • 伊藤忠商事は正反対です。繊維、食料、流通(コンビニ)といった非資源・消費の事業が強く、資源価格に振られにくいです。その安定性がROE 14.6%という5社最高の収益性に表れています。代わりにそれだけ市場が評価して、PBR 1.99倍と最も高いです。
  • 三菱商事は原料炭や銅といった資源と非資源を併せ持つ最大の商社です。規模は1位ですが、今期の業績不振とROE 8.5%で、規模に対する効率はまだ課題です。
  • 丸紅は穀物と電力の事業に強みがあり、一時不振だったものの最近は業績とROE(13.6%)を回復したケースです。
  • 住友商事は金属、メディア、不動産などに分散しています。過去に大きな損失を経験した後、リスク管理を重視する色があり、経常利益率9.6%と5社で最も高いです。

ROEとPBRで見る「質」

バリュエーションを見るとき、PBRとROEは対で見るべきです。ROEが高ければ高いPBRがある程度正当化されるからです。

  • 伊藤忠商事はROE 14.6%と最も高く、PBRも1.99倍と最も高いです。「高いのには理由がある」典型です。
  • 三菱商事はROE 8.5%と最も低いのに、PBRは1.88倍と高めです。規模と期待がバリュエーションを支えており、利益効率が追いついてくるかが注目点です。
  • 三井物産はROE 10.2%にPBR 1.63倍で、資源株らしく収益性の割に安く取引されています。資源価格が回復すれば利益と株価がともに上がる余地のある構造です。

株主還元 - 配当と自社株買い

総合商社がここ数年で日本株の主役に浮上した大きな理由が株主還元の強化です。予想配当利回りは三井物産が2.58%と最も高く、5社とも2.3〜2.6%の範囲に集まっています。

ただし総合商社の還元は、配当だけで見ると半分しか見ていません。これらは配当に加えて自社株買いを積極的に行ってきており、配当と自社株を合わせた総還元で見れば還元の強さはずっと大きいです。ですから単純な配当利回りだけを見て「商社は配当が低い」と捉えると誤解です。配当利回りの読み方は日本の高配当株10選を分析で別に整理しました。

銘柄ごとの一言まとめ

  • 三菱商事(8058)時価総額1位の最大商社。規模と資源・非資源のバランスが強みですが、ROE 8.5%と今期の業績不振が課題です。還元がこれを補うかを見ます。
  • 伊藤忠商事(8001)非資源・消費モデルでROE 14.6%と最高。安定性が強みで、PBR 1.99倍と最も高いです。質を買う銘柄です。
  • 三井物産(8031)資源色が最も強いです。PBR 1.63倍と最も低く、配当2.58%と最も高いです。資源価格が方向を握ります。
  • 丸紅(8002)穀物・電力に強みがあり、ROE 13.6%と回復基調。成長がプラスを保った点が際立ちます。
  • 住友商事(8053)事業分散とリスク管理の色が強いです。経常利益率9.6%と最も高く、時価総額は5位です。

おわりに

同じ「5大総合商社」でも、三井物産の資源色と伊藤忠商事の非資源の安定性は、事実上は別の銘柄に近いです。資源価格の回復に賭けるなら三井物産や三菱商事の側が、変動を抑えて着実な収益性を求めるなら伊藤忠商事の側が性格に合います。時価総額の大きい順序と収益性の良い順序が違うこと、そして配当利回りだけでなく自社株を含めた総還元で見るべきことが、このセクターを見るときに見落としやすい2点です。

ちなみに私はこの5社のうち三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、丸紅の4社を保有しており、その比重と理由はポートフォリオ公開の記事に整理しています。


※ 本記事は情報提供を目的としたもので、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。数値は2026年6月5日終値ベースの参考値であり、正確性・最新性を保証するものではありません。バークシャー・ハサウェイの保有など定性的な情報も作成時点のものです。投資の最終判断はご自身の責任でお願いします。

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